※ 毎朝、5分以内で読める書籍の紹介記事を公開します。
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
目次
書籍情報
ルポ 女子大生風俗嬢
発刊 2024年1月1日
ISBN 978-4-299-05044-1
総ページ数 255p
中村淳彦
ノンフィクション作家。貧困、介護、AV女優、風俗などの分野でフィールドワークしている。
宝島社
- はじめに
- 第1章 毒親チルドレン
- 「大学生なので風俗で働くの仕方ないです」
- ソープランドの個室でオンライン授業
- 精液まみれになり1時間6000円の報酬
- ヘルスよりソープのほうが楽
- 成人式が中止でソープランドに出勤
- 私立に行く=風俗で働く
- 半年ごとに55万円を母親に「返済」
- 学費も家賃も食費もすべて自分で稼ぐ
- 賃金は下がり、学費と消費税は上がり続ける
- デリヘルの登場と女性のデフレ化
- 新学校出身、夢は学校の先生
- 恋愛経験のない処女が風俗勤務
- 子どもの学費を負担したくない親が増加
- 想像できなかった精神的ダメージ
- 処女喪失は”本番強要”
- 風俗→ファストフード→風俗
- 父親は75歳、母親は45歳のフィリピン人
- 機能不全家族
- 「両親は私のことはどうでもいい」
- 第2章 スカウトされた女たち
- 平成は日本が衰退した時代
- 父親の介護がきっかけで精神崩壊
- スカウトマンが「お金は特効薬」
- ソープでは血が出るまで手マン…etc
- 第3章 最底辺風俗嬢
- 東京の風俗「最終地点」
- ピンサロもオナクラもそんなに稼げない
- 学費として毎月10万円を母親に
- 父親は借金、母親は精神疾患
- 母親が奨学金をフルで借りた…etc
- 第4章 性を売るエリート学生
- 慶大生「夜職」の実態
- 松坂桃李似のイケメン
- やっていることは普通じゃない
- 実家が地震で被災し仕送りがストップ
- ホストクラブに体験入店…etc
- 第5章 パパ活女子たちの生存戦略
- 「パパ活」とは何か
- 学費は奨学金、3つのバイトを掛け持ち
- 「食事だけ」で2か月25万円の収入
- 根掘り葉掘り聞く男性は警戒
- パパ活カップルがあちこちに…etc
- 第6章 ハダカになる母親たち
- お母さんはデリヘル嬢
- 夫のリストラと精神疾患
- 5万円のギャラでAV出演
- 保険のセールスレディを掛け持ち
- ゴム付き2万円、生中出し3万円の「パパ活」…etc
はじめに
今、風俗嬢に女子学生があまりに多いです。ちゃんとしたデータをとれれば、衝撃的な結果となります。男女関係なく、学生は親の協力や給付がなければ一網打尽に困窮状態です。空腹なわけではなく、汚い服を着ているわけでもなく、スマホを持っていないわけでもありません。その苦しさは可視化されないのです。
恵まれた学生や、大学関係者は身近な隣人の過酷な現実を理解できません。そして風俗嬢は社会からの差別や偏見が強い職業なので閉鎖性が強いこともあります。人に隠しながら働いているのです。
風俗関係者や現役学生、彼女たちの語りから日本で何が起こっていたのか見えてくるはずです。
風俗→ファストフード→風俗
何度も本番強要があって精神的に疲れていました。勉強も全然できていなくて焦りがあったので、一度、風俗をやめました。ファストフードで、働き始めたものの生活費しか稼げず、勉強もやめてしまって浪人で失敗しました。コロナになって、バイトがなくなったのと、やっぱり教員を目指すことにしたので、もう一度風俗に戻りました。
高校を卒業したばかりの3月下旬に風俗嬢になって、6月に辞めています。合計で180万円ほどの稼ぎを得て、100万円ほど貯金ができました。
教員の免許を通信制大学で取得できることを知り、学校に入学しています。
風俗嬢に出戻りしたが、まだ恋愛経験はありません。性的サービス以外の男性経験はなく、プライベートではまだ処女のままです。
ソープでは血が出るまで手マン
忙しい理系の大学生が、生活に使うお金以外に年間70万円を貯めるには、普通のアルバイトでは無理です。
週1、2日程度しか働けないとなると、待機時間が長いデリヘル、出勤時間が決まっているキャバクラも選択肢から外れます。なので客付きのいい大衆ソープがいいだろうと判断しました。
けれど、ソープランドはかなりキツイ場所です。オラオラみたいなお客さんが多くて、無理やり挿入されることもあるし、血が出るまで手マンさせられることもあります。
かなり酷い体験をした後なので、ソフトな場所で働きたいとスカウトマンに伝えたところ、M性感ヘルスへと移動になりました。男性のアナルをマッサージしたり、手コキなどの要望に合わせるだけなので楽なのです。
童貞が歌舞伎町のホストに
大学で勉強した帰りに塾講師のバイトで稼いでいました。生活は限界まで切り詰めて、大学の学食にも行けません。
学費を稼ぐのが塾講師では無理だと悟って、ホストをやるしかないかと諦めました。
ホストのスカウトに童貞であることをいうと、笑って、マッチングアプリを紹介してもらい、女の子とうまく会話してデートして童貞を捨てるように言われました。2日後にアプリで知り合った子を自宅に呼んで、童貞を捨てたのです。
入店してから、ホストの先輩に優しくしていただいて、ギリギリ働けています。
先日まで童貞だった真面目な大学生は、歌舞伎町のホストになりました。