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目次
書籍情報
地主の真実
発刊 2023年11月22日
ISBN 978-4-8378-0515-1
総ページ数 206p
松本隆宏
ライフマネジメント株式会社代表取締役
マネジメント社
- プロローグ
- エピソード1 大手だから安心_この思い込みが地主を苦境に立たせる
- 先代が建てた下町の自社ビル
- バブル経済期
- 重くのしかかったテナント問題
- 大手企業の嫌がらせ
- 地主の参謀
- エピソード2 〝銀行の都合〟に振り回せれた若い夫婦の3年間
- 先代の頃_農業から不動産業に
- 銀行への不信
- 突然やってきた相続
- 四十九日から返済を迫る銀行
- 所有地の活用
- 新規物件の購入
- エピソード3 複雑に絡んだ共有不動産からの卒業①
- 先々代が建てた駅前の商業ビル
- 夫の急死
- 義母の相続問題
- 法人化と自宅の建て替え
- 駅前商業ビルの売却
- 賃貸マンションへの資産の移行
- ご先祖への感謝と次代への継承
- エピソード4 複雑に絡んだ共有不動産からの卒業②
- 喫茶店の閉店
- 個人所有のビルを法人化へ
- 経営改革に着手
- 問題の多い駅前商業ビル
- 大きなストレスに苛まれた相続人
- 駅前商業ビルの売却
- アパート経営
- 出口戦略を考える
- エピソード5 税理士と銀行に振り回された姉妹の不動産経営
- 古くからの農家
- 代替わり
- 不動産を替える
- 専門家の選別
- 地主としての成長
- エピソード6 手間のかかる多数の不動産管理_将来は遠隔管理を実現して、娘~孫に引き継ぎたい
- アメリカで出会って結婚した夫妻
- 先代の死
- 参謀との出会い
- 土地を売却し、収益物件を購入
- 賃貸経営の勘所
- 現在と今後
- 後継者
- エピローグ
プロローグ
地主の状況はそれぞれ違っていますが、ガードが固くて無防備な印象があります。
税理士に相談して「自分の専門外だからできない」と言ってくれるのは正直でいいことです。「方策を考えましょう」と言いながら、解決策を見出してくれない税理士もいます。
銀行の言うことを鵜呑みにしていたらとんでもないことになります。大手の不動産会社が地主のことを考えてくれるわけでもないのです。
6のエピソードを通し〝地主の真実〟を知っていただければと思います。
地主の悩みと不満
銀行は、地主か大手企業のサラリーマン、公務員の退職金にフォーカスしています。まとまった資金が動くのはそれくらいです。
区分所有の2区画を売却すると、証券会社からしつこく電話がかかってくるようになりました。銀行にいくと、個室に案内をされて名刺を渡されるなどの露骨な態度変化をしています。
銀行としては、利益になる金融商品を売りたいのです。企業に貸す利率は2.0~3.0%で大きくなっています。銀行は私たちのお金を貸し出して利益を得ているのです。
銀行だから安全にお金を管理しているというわけではなく、損得勘定で動く金融機関の会社と認識したほうが良いでしょう。
賃貸マンション
マンションには分譲と賃貸とがあります。
分譲マンションは、複数持っていないとリスクの分散ができない上に、維持管理が難しく、建て替えもできません。1棟まるごと土地込みで所有していれば、別の建物を建てたり、そのまま売るという選択肢を残しておけます。
土地を現金で購入し、そこに賃貸物件の借金で建てる場合、入居者の家賃を充当できるので、最終的には借金のない建物が手に入ります。
土地は消失しないし、売れば元の資産が戻ります。良い土地を持っていれば、価値の減少はほとんどないのです。
条件が揃えば、賃貸マンションをおすすめできます。
専門家の選別
税理士で言えば、保険料控除さえやってくれない人もいます。地主の事業の場合には、不動産にも相続にも詳しい会計事務所を選択するのが定石でしょう。顧問料は安くないけれど、契約などの確認のために、顧問弁護士がいれば心強いです。
私はITに強くないので、IT顧問をお願いしています。連携して円滑にサポートしてもらうためのチームができているのです。
土地売却、収益物件を購入
中村家は、「ここだけ売ってくれ」「この場所だけ借りたい」という人々の要求に答えたことによって、土地がどんどん細かくなっていきました。
隣地や関係者が多く、維持管理が難しいものが多くて、売却するだけでは資産が増えていきません。そのため、別の物件に組み替えていくことを選択しました。良い物件と交換するという戦略です。
引き継いだ物件に問題があったり、所有している物件に問題が発生することはあります。できるだけ、その問題は先送りせず、早期に解決したほうがいいです。
早めに手を打っておけば、次世代に負担をかけなくてすみ、活用の幅も広がります。