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目次
書籍情報
残酷すぎる
幸せとお金の経済学
発刊 2023年11月20日
ISBN 978-4-8334-2518-6
総ページ数 254p
佐藤一磨
拓殖大学政経学部教授。
プレジデント社
- はじめに
- 序章 「幸せ」の測り方
- 第1部 お金と仕事編
- 第1章 幸せはお金で買えるか_お金と幸せの経済学
- お金があれば幸せになれるのか?
- 幸せは1000万円で頭打ち
- 最新の研究では、お金があるほど幸福度も高い
- 所得格差は幸福度格差につながるのか?
- 経済成長しても幸福度は上がらない
- 他人との比較で幸福度が変わるワケ
- 経済成長すると子どもの幸福度は低下する
- 第2章 出世すると幸せになれるのか_仕事と幸せの経済学
- 昇進と幸福度の知られざる関係
- 「職階が低い人ほど不健康」は本当か
- 健康な人ほど昇進するがメンタルを病む
- 管理職に昇進しても幸福度は上がらない
- 妻が管理職だと夫の幸福度は低い
- 「妻が管理職」のデメリット
- 夫婦の働き方が配偶者に与える影響
- 女性活躍推進法を男性を不幸にしたのか?
- 女性管理職が増えたのは大企業ばかり
- 男性の仕事満足度は女性活躍推進法で低下
- 第1章 幸せはお金で買えるか_お金と幸せの経済学
- 第2部 結婚・子育て・離婚編
- 第3章 結婚したら幸せになれるのか_結婚と幸せの経済学
- 魔法にかけられて
- 独身男性の幸福度が最も低いワケ
- どんな結婚相手だと幸福度が高いのか?
- 「妻のほうが学歴の高い夫婦」が増えている
- 日本の夫婦に多い学歴の組み合わせとは
- 「妻が高学歴」だと世帯年収が低い
- 自分より若い相手と結婚したほうが幸せ
- 年下婚のメリットは10年で消える
- 日本では年上と結婚する女性が減少
- 「長男の嫁」の幸福度は低い?
- 「一人っ子長男」増加の影響
- 「夫婦中が悪い結婚」でも幸せになれるのか?
- 第4章 「子どものいる女性ほど幸福度が低い」のはなぜか_子育てと幸せの経済学
- 子どもは本当に幸せの象徴?
- 子どもの女性のほうが生活満足度が低い
- 子を持つと幸福度が下がる三つの理由
- 幸福度を下げる最大の原因は「お金」
- 夫婦関係が急速に悪化するきっかけ
- 子どものいる高齢者は生活満足度が低い
- 子が高齢親の満足度を低下させるワケ
- 孫の世話が「母方の祖母」の幸福度を下げる
- 欧州でも「孫育て」でメンタルヘルスが悪化
- 子持ち女性の幸福度は上昇していない
- 米国では子持ち女性の幸福度が上昇
- 第5章 離婚したら不幸せになるのか_離婚と幸せの経済学
- 魔法がとけて
- 離婚のショックが大きいのは男性
- 熟年離婚の男女間格差
- 男性が離婚を引きずるワケ
- 夫は妻より幸せになれない
- 経済学から見た離婚の二つの理由
- 離婚しやすいのはどんな人か?
- 経済学でわかる「離婚しないタイプ」とは
- 「忍耐強さ」は結婚相手のスペックにも影響
- 結婚相手は自分を映す鏡
- 第6章 「家族ガチャ」で人生は変わるのか_きょうだい構成と幸せの経済学
- 家族構成は人生に影響するのか?
- 弟がいる長女 vs 妹がいる長女
- なぜブラザーペナルティが生じるのか?
- 弟がいる長女の年収は16%低い
- 日本でもブラザーペナルティは存在する
- 長男に生まれると人生は変わるのか?
- 長男ほど学歴も年収も高い「長男プレミアム」
- 「ガチャ」による不公平を避けるためには
- 第3章 結婚したら幸せになれるのか_結婚と幸せの経済学
- 第3部 男女、年齢編
- 第7章 なぜ日本の男性は幸福度が低いのか_男と女と幸せの経済学
- 男女の幸福度はどう変化してきたのか?
- 環境が改善しても幸福度が下がる〝パラドックス〟
- 日本の女性の幸福度は低下していない
- 日本では男性の幸福度が低下している
- 幸福度が低いのは高齢未婚&子育て期の男性
- 第8章 「幸せのどん底」は何歳でやって来るのか_年齢と幸せの経済学
- 人生の中で幸福度が最低なのは48.3歳
- 50歳前後で幸福度がどん底になるワケ
- 幸福度低下への対策は「お金」
- 増える未婚の子との同居高齢者と独居老人
- 未婚の子との同居は幸福度を下げる
- 独居高齢の幸福度は男性は低いが女性は高い
- 終章 経済学が導き出す「幸せの条件」とは
- 第7章 なぜ日本の男性は幸福度が低いのか_男と女と幸せの経済学
- おわりに
- 脚注一覧
はじめに
社会全体で男性優位が残っているので、男性のほうが幸せなのかなと思ってしまいます。
しかし、幸せに関して言えば女性優位の社会だと言えるでしょう。
そして、子どものいない既婚女性の幸せ度が一番高いのです。
学術論文から拾ったデータを基にしていますが、数式などの細かいものは表していません。リラックスしているときに、気軽に読んでいただければと思います。
お金があるほど幸福度が高い
年収が1000万円を超えたら幸福度が頭打ちになるという研究から、13年後の2023年では「年収が7.5ドル以上になっても、幸福度は伸び続ける」という結果になっています。
正確には、幸福度が低いグループでは、年収が一定以上の上昇で幸福度が頭打ちになりますが、幸福度が高いグループでは、幸福度が伸び続けるという結果です。
データとしては、経済成長と人々の幸福度はあまり相関関係がありません。幸福度説で有力なのは相対所得仮説です。他人と比較して「ほかの人より稼いでいる」「ほかの人よりいい生活をしている」という関心が、幸せに影響します。
他者の幸せを無視できない、人の業の深さを感じます。
子を持つと幸福度が下がる
子育ては、日々に充実感を感じさせてくれるため、幸福度があがる女性もいるでしょう。幸福度が下が原因は、生活の変化によるストレスです。お金、夫婦関係、家事、育児などが考えられます。
子ども持つと幸福度が下がる一番の要因は、お金です。少なくともヨーロッパのフランスにおいて120万人以上の調査では、子どもがいることでお金が増えることがフラストレーションを感じるとあります。日本においては調査は行われていません。
子ども自体は幸福度を上げるかもしれないけれど、金銭的な問題が重なり、総合すると子どもがいることで幸福度が下がるのではないでしょうか。
決定打となっているのかは、明確にはなっていません。
日本の男性は幸福度が低い
35歳から49歳までの男性、大卒の男性、未婚の高齢男性、子どもありの日本人男性が特に幸福を感じていません。
子どもがいる場合は金銭的な要因です。35歳から49歳の男性と大卒の男性は、金銭的な問題と肉体的な疲労が考えられています。
もっとも幸福度が低いのは「50歳以上の高齢未婚男性」と「49歳以下の子持ち男性」だとハッキリ出ています。
2003年からは、不幸な男性が増えていることが目立ってきています。未婚率の上昇と共働き世代の上昇が続いていくため、今後も気の毒な男性は増殖されていくでしょう。
未婚の子と同居・独居老人
未婚の子との同居と独居者の増加が顕著です。
また、これらの世帯は幸福度が低い傾向にあります。
ただし、未婚の子の及ぼす影響がプラスに働く場合はその限りではありません。親の健康状態が悪化し、子との同居がセーフティーネットとして機能します。それ以外の場合は、どちらにとってもあまり望ましいものではありません。
ちなみに、独身の高齢女性の場合には、幸福度が高いことが多いです。