子どもアレルギー大百科/著者:渡邉美砂

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書籍情報

タイトル

先生と保護者のための子どもアレルギー

発刊 2023年8月1日

ISBN 978-4-87981-775-4

総ページ数 159p

著者

渡邉美砂

東邦大学医療センター大森病院 小児科、小児科学講座の講師。
日本アレルギー学会、日本小児アレルギー学会、日本小児科学会に所属。

出版

少年写真新聞社

もくじ

  • はじめに
  • 即時型アレルギーのしくみ
  • 症状と様子
    • 食物アレルギー
    • アトピー性皮膚炎
    • 気管支ぜんそく
    • アレルギー性鼻炎・花粉症
    • アレルギー性結膜炎
  • 緊急性が高いアレルギー”アナフィラキシー”
  • 集団生活の場面と関連するアレルギー(保育園・学校)
  • アレルギーカレンダー ~生活の中での工夫とポイント~
  • 生活管理指導表の活用
  • 第1章 食物アレルギー
    • 食物アレルギーの基礎知識
    • 食物アレルギーの症状と対応
    • アナフィラキシーの基礎知識
    • アナフィラキシーへの対応
    • アドレナリン自己注射薬(エピペン)の使い方
    • 食物アレルギー診断への手順
    • アレルギーの検査
    • 食物経口負荷試験(OFC:Oral Food Challenge)
    • 除去食療法
    • 除去食の解除と注意点
    • 日常生活での注意①加工食品の表示
    • 日常生活での注意②外食
    • 口腔アレルギー症候群(OAS:Oral Allergy Syndrome)
    • 食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA:Food-Dependent Exercise-Induced Anaphylaxis)
    • 食品添加物によるアレルギー
    • 豚肉・ネコ症候群(PCS:Pork-Cat Syndrome)
    • 子供の食物アレルギー主な治療薬
  • 第2章 アトピー性皮膚炎
    • アトピー性皮膚炎の基礎知識
    • アトピー性皮膚炎の症状
    • アトピー性皮膚炎のスキンケア
    • 薬物療法①ステロイド外用薬と使い方
    • 薬物療法②ステロイド以外の治療法
    • アトピー性皮膚炎がよくならない場合の見直し
    • アトピー性皮膚炎の子どもにみられる心配ごと
    • 日常生活での注意①皮膚感染症
    • 日常生活での注意②悪化の原因
    • 子どものアトピー性皮膚炎 主な治療薬
  • 第3章 気管支ぜんそく
    • 気管支ぜんそく基礎知識
    • ぜんそくの症状と発作への対応
    • 乳幼児ぜんそく
    • 日常生活での注意①発作のコントロール
    • 日常生活での注意②運動
    • 日常生活での注意③小動物の飼育
    • 日常生活での注意④発作を防ぐ環境づくり
    • 日常生活での注意⑤かぜなどの感染症
    • 子どもの気管支ぜんそく 主な治療薬
  • 第4章 アレルギー性鼻炎・花粉症
    • アレルギー性鼻炎・花粉症基礎知識
    • アレルギー性鼻炎・花粉症の症状と対応
    • 日常生活での注意①薬の仕様
    • 市販のアレルギー用の薬は使っていいの?
    • 舌下アレルゲン免疫療法(SLIT:Sublingual Immunotherapy)
    • 日常生活での注意②合併症と気を付ける病気
    • 子どものアレルギー性鼻炎 主な治療薬
  • 第5章 アレルギー性結膜炎
    • アレルギー性結膜炎の基礎知識
    • アレルギー性結膜疾患の症状と対応
    • 日常生活での注意 間違われやすい目の病気
    • 子どもの アレルギー性結膜炎 主な治療薬
  • 第6章 園・学校での対応
    • 園・学校生活とアレルギー
    • 園・学校対応での困りごと Q&A
    • アレルギーと発達障害
  • 索引/おわりに

食物アレルギーの症状と対応

皮膚・粘膜症状

 即時型反応で見られる状況の約80%は皮膚・粘膜の症状です。皮膚のかゆみや、赤み、じんましんなどがあります。粘膜とは、目や鼻、口にある湿った膜のことです。目の充血、またの腫れ、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、口の中や舌のイガイガ感、かゆみ、唇が腫れる、耳の奥のかゆみなどがあります。

呼吸器症状

 まず軽い単発のせきから始まり、徐々にせき込んでゼーゼー、ヒューヒューぜんそく発作のように息苦しくなることもあります。

 声がかすれる、犬がほえるようなせきをする、のどがしめつけられるように息苦しくなるときは注意が必要です。

消化器症状

 気持ちが悪くなったり、吐いたり、腹痛や下痢がみられることがあります。冷や汗が出るほど強い腹痛が続く、繰り返し吐く場合もあります。

循環器症状

 脈が速い、遅い、触れにくい。手足が冷たい、顔が青白い、唇や爪が紫入り(チアノーゼ)、血圧低下などがみられるときはアナフィラキシー・アナフィラキシーショックのサインで緊急性があります。

神経症状

 元気がない、座っていられず横になってしまう、不機嫌や興奮状態(不穏)、ぐったり、意識がない、尿や弁をもらすなど。

 皮膚+呼吸器のように2つ以上の臓器に症状がまたがり、どんどん症状がひどくなっていく状態が「アナフィラキシー」です。
 アレルゲンを摂取した後、最初はキーキー泣いていて、かゆがって皮膚が真っ赤になっていたが、ゲボッとはいてぐったりして顔色が悪くなってウトウト寝てしまうような場合は、アナフィラキシーショックの可能性があります。

ぜんそく発作を防ぐ環境づくり

ポイント
●ほこりをためない
●できるだけ毎日掃除機をかける
●室内の湿度は50%以下に
●禁煙にする
●空気を汚しにくい冷暖房器具を使用する
●窓を開けてこまめに換気

 人の毛や衣類の繊維だけでなく、ダニやその死骸・排泄物など、アレルギー反応を引き起こす恐れのあるものを数多く含みます。またカビの奉仕がアレルゲンになりやすく、ダニのえさです。室にの湿度を上げすぎないように注意しましょう。

掃除のポイント
 1㎡20秒以上(6畳間で3分強)を目安に掃除機をかけます。窓を開けて、掃除機の排気や舞いついたほこりを逃します。

市販のアレルギー薬

 病院で処方してもらう「医療用医薬品」と薬局やドラッグストアで購入できる「OTC(Over The Counter)医薬品」に分けられます。

 OTC医薬品は、購入する人が自らの判断で選ぶもので、安全性が高いとされる複数の有効成分を配合した配合剤が多く、医療用医薬品よりも含まれる有効成分量が少なく設定されることもあります。

 基本的には病院で処方してもらいましょう。

園・学校生活とアレルギー

 集団での生活時間が長く、特に保育園では、学校や幼稚園と比較すると朝から夕方までで、食事の提供回数が多く、午睡あるのが特徴です。そのほかにも、園児の年齢的な要因として、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、ぜんそくなどのアレルギー疾患にかかりやすい年齢となっています。

園におけるアレルギーリスク
●外遊びや午睡後に汗をかくなどによる皮膚の汚れ
●ほこりなどのアレルゲンへの曝露
●昼食、おやつ、ミルクなどでの誤食
●言葉の発達が未熟なので伝わらないこともある
●よだれ、指しゃぶり、おもちゃなどからアレルゲンに触れる可能性
●抱きつき、手つなぎなど、密な接触がある

 食事やおやつなどの回数が多いので誤食の機会も多くなります。「いつもと違う」ときに事故が特別多いのです。担任の先生がお休み、延長保育、遅番の先生が対応するときはより慎重に確認を行ってください。

 コミュニケーション能力が未熟なので、誤食や症状の誘発に気づくのが遅れることがあります。重篤なアレルギー児ではおもちゃや床にこぼした食物などに反応する可能性があり、注意深く対応するべきです。

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