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目次
書籍情報
老いとお金
第1刷 2023年4月25日
編者
発行者 山下直久
発行 (株)KADOKAWA
印刷 (株)KADOKAWA
製本 (株)KADOKAWA
ISBN 978-4-04-106143-5
総ページ数 174p
群ようこ
作家。『かもめ食堂』『れんげ荘』『三人暮らし』『うちのご近所さん』など多数。
角川文庫
みじめとは?
大人たちはお金があったほうがいいと言い切っていました。私はその「みじめ」という言葉がどうしても納得できません。他人から自分がどう思われているか、他人がそう感じていても、本人は感じていない場合も多いのです。
周囲から「家を買ったほうがいいのでは」と勧められたこともありましたが、譲る人もいなし、面倒くさくなる気がして、賃貸でもなんとかなるんじゃないかと過ごしてきたのです。お金がふつうにある程度あれば、何とかなるだろうと思っていました。
いつからから、老後2千万円が必要とか言い始めて「はあ?」という感想です。
昨今の特殊詐欺の報道をみると、後期高齢者が結構な大金をだましとられています。「被害者は老後のためにと、一生懸命ためてきたのだろうなあ」と気の毒になってくるのです。
私はとられるものは何もないので、気楽なものです。
65歳から年金を回収していますが、介護保険などをガッツリ引かれて振り込まれています。あれだけ税金を払ってきたのに、高齢者に対してろくな保障がないなんて、本当にひどいです。固定資産税などもかかるし、労働意欲がなくなるのも当然のことだと思います。
着物でも帯でもどうしても手放せないものはあるけれど、大枚はたいて買ったものでも、ばんばんあげてしまっています。まだ手放す気持ちになれないものもありますが、いずれはそうしなくてはならないと思っています。
生命保険解約
Image by gnanasathees suntharam from Pixabay
郵便局のかんぽ保険に入っていました。そして今、玄関に郵便局の男性が立っています。
「お仕事中なので、手短にお願いします」
「お入りいただいた保険は、入院してから1週間は保険金がおりないことになっています。早期に退院された場合は、この保険では補えない部分があるのです」
「別の保険に入れということですか?」
「はい」
「その気はありません」
そして私は、保険の解約に動き始めました。
既に稼ぐ能力のある血縁に、お金を渡す必要が感じられないのです。
特養へ
作者: chacha
母は要介護の診断をうけてデイサービスに通っていました。
いつもラジオ体操のようなものばかりをやっていて「リハビリではないな」と思いながら、それなりに楽しそうにしている母がいたので、まあいいかと思うことにしました。
通所サービスでは限界があるところまで老衰していくことは想像できたので、介護施設の入所を考えるようになったのです。
訪問介護は弟が他人を家に入れるのを嫌がったので、母の年金で支払える範囲の施設を探すと約束し、「好きにしなさい」と伝えました。
少し予算をオーバーし、個室でインターネット環境があり、購買イベントなどが多い施設に入所できるようになったのです。最近は入所している高齢者が亡くなることも多いので、それなりに順番がめぐってくるのも遅くはありません。
施設のイベントで、母は何を買っているのかを聞いたら、古着の着物を買っていると聞きました。本当に着物が好きなようです。
感想
サイト管理人
作家さんは、考えて我が道を行くので、変わっているようで筋が通っている生活を面白く読ませていただきました。
年金で15万ほど貰えて、そこそこ良い特養に入れるなら、そこまでお金に困る老後を過ごすということは無さそうなものです。もちろん、人によっては金額が違いますが、それなりに真面目にやってきた人なら厚生年金なども上乗せがあるだろうし、夫を亡くされている場合でも遺族年金(それなりに年金を受けとると、引かれるけれど)もあります。
老後2000万円というのは、問題になる人が限られるものだと思っていますし、著者の「はあ?」というのは理解できます。
というより2000万も現金があれば、投資して不労所得でそれなりに暮らせてしまうし、不良所得+年金というのは、相当高級な少人数フロア有料老人ホームにでも入居できてしまうはずです。
考えていれば、お金の使い方なんて人それぞれで良いはずです。
下にリンクを貼っておきますので、本書の購入を検討してみて下さい。
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