経済封鎖中国、アジアの盟主日本

※ 毎朝、5分ほどで読める書籍の紹介記事を公開します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

はじめに

 我々の価値観に基づいて中国を批判しても、価値観の違う中国には届きません。

 世界の支柱である「アメリカ頼り」の姿勢から、自主的に意思決定を行わなければならなくなっています。

 日本と中国の関係は、より踏み込めば、「文化衝突」「文明衝突」ということになるかもしれません。したがって、文明が折れるまで衝突は終わらないでしょう。

書籍情報

タイトル

米中戦時に突入

経済封鎖される中国

アジアの盟主になる日本

第1刷 2023年1月31日

発行者 小宮英行

発行 (株)徳間書店

印刷・製本 大日本印刷(株)

ISBN 978-4-19-865589-1

総ページ数 252p

著者

渡邉哲也

経済評論家。

出版

徳間書店

「脱中国」の問題点

Image by photosforyou from Pixabay

 西側による対ロ制裁には海運、飛行機などへの再保険が拒否されたため、大手海運業者はロシア発着の荷受けを停止しています。また航空便も迂回しなければなりません。

 日本は、当事者間の協議状況や交渉内容、業界の習慣といった「契約書外の事情」を重視する傾向があるのです。海外の企業間契約書は分厚く、日本の契約書は薄い傾向にあります。

 日本企業が国際法務に弱い理由は、こうした独自の習慣にあるのです。

 一方で「不可抗力条項」は日本国内向けには効力を持ちます。政府命令で中国を脱出した場合、株主への損失説明に「不可抗力」を使うことができるのです。損出については政府に賠償請求を行うことができます。

 日本企業の中国脱出を促すためには、日本政府も何らかの対応を決断しなければならないのです。

中国の戦略目標

Image by Gerd Altmann from Pixabay

 中国の戦略は、国力のあらゆる要素を蓄積・活用し、体制間の永続的な競争において中国「主導的地位」に置くための努力です。

 人民解放軍の戦争方法の輪郭を里香氏、その活動と能力を評価することは重要になります。

 2021年、中国政府はインド・パキスタン地域においてより強圧的で攻撃的な行動をとるようになりました。加えて、2027年までに中国軍の、機械化、情報化、知能化を加速させる目標があります。

 2027年までの目的は台湾統一を追求する際に、より信頼できる軍事的手段となる能力を中国軍につけようとするものです。

 中国が目指す「運命共同体」の構想には、支援する外部環境が必要になります。

ロシアの麦

Image by Pexels from Pixabay

 ロシアは小麦、対麦、蕎麦の輸出大国でした。国内で必要とされる量を除き、輸出に回ります。

 中国にとって食料や資源・エネルギーの供給先は欲しいところです。しかし、麦は加工しなければ食べることができません。中ロの関係は実はwinwinにならない可能性があるのです。

 ロシアはパスタやクッキーなどを輸入に頼ってきたところがあります。輸入が完全に止まってしまうと、国内の食料調達は国民にとって不満・不安の残るものとなります。

 また2022年3月3日から、油田。ガス田などの機器、材料の禁輸をアメリカは決定しました。ベーカー・ヒューズ、SLB、ハリバートンはロシアの産油施設の老朽化に対する設備の更新なども請け負って大手企業3社撤退しています。

 一時的にガスや石油の供給が世界的に不足しているが、環境政策は時間とともに後退し、従来のバランスに戻っていくと考えられています。

 エネルギーを運用する技術、食料を加工する技術は西側にあるのです。

中国に作らせない

Image by brookhaven from Pixabay

 半導体の問題でアメリカがだした答えは、中国に作らせなければよいというものです。

 日本においては、高性能半導体におけるシェア率は高い水準になっています。

 フッ化水素の原料である蛍石は6割以上が中国原産で、レアアースなどのも中国産のものが多くあります。これを使用する理由は中国産が安いからです。中国以外で採取できないわけでもありません。

 そこで、アメリカはサプライチェーンの再構築に向けて、同盟国・同志国との連携を深めようとしているのです。その軸が「インド太平洋」となります。

 「効果的に競争する」としてアメリカは、中国に作らせないネットワークの枠組みを作りつつありのです。

 こうした動きに対して、現在、日本政府は経済安全保障の一環として、オンリージャパンの保護に向けて、メーカーや産品のリスト作りを進めています。近い将来、高い確率で保護と規制対象の指定が行われていくでしょう。

あとがき

 世界の分断は確実に進んでいます。世界各国は中国かアメリカかの、どちらかを選ばなくてはいけない時に立ち会っているです。

 戦後から現在まで日本はアメリカのシステムの中に組み込まれ、中国は「習近平の社会主義思想」という理想の下で復興を謳っています。

 日本には、日本の宝が存在します。味の素の絶縁フィルムはもちろん、ヤマサ醤油が作る「ショードウリジン」がなければ、「mRNAワクチン」は作れないのです。

 日本を見直し、戦いましょう。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 この著者さんの地政学は、極端で面白いです。中国とアメリカの失態だと思われる事柄に言及し、今がチャンスだぞ日本と言っています。

 きのこ派、たけのこ派、みたいに中国かアメリカか、いわれても困る各国でしょう。どの国も良いところだけ受け取らせていただいて、要らないものはお気持ちだけいただいておくのが本音だと思います。

 不透明な国際情勢の情報を明かしていく情報の手助けになればと、書かれているだけあって思ったことを書いてくれています。この本を読めば、知らなかった情報、考えつかなかった思想に触れられるでしょう。

 他にも外交の書籍に沢山触れている人が娯楽で楽しむには、良いかもしれません。

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