※読んだ本の一部を紹介します。
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
流山市
目次
書籍情報
タイトル
流山がすごい
著者
大西康之
日本経済新聞社で欧州総局などを務め2016年に独立しました。
出版
新潮新書
6年連続人口増加率トップ
流山市は、10年に渡って子育て世代の支援に着々と手を売ってきました。2010年には市内に17箇所しかなかった保育園は、12年後の2022年には100箇所に増えました。
2021年に待機児童ゼロを達成し、保育士も人件費を少し肩代わりすることで確保できています。
保育の楽園になった流山市に保育園難民となった首都圏の子育て世代が一斉に押し寄せ、2016年には流山市の人口増加率が全国の市の中でトップに躍り出たのです。
2005年につくばエクスプレスが開業し、市内に「南流山」「流山セントラルパーク」「流山おおたかの森」の3駅ができました。大きく土地区画整理が進み、流山おおたかの森には巨大ショッピングセンターやマンションが林立しています。今では千葉のニコタマなどと呼ばれているようです。
共働き子育て世代むけの施策
南口の駅前広場では、つくばエクスプレスの高架と流山おおたかの森S・C(ショッピングモール)に挟まれ自動車の乗り入れができません。木影や芝生で親子連れがのんびりくつろげる空間があるのです。
おおたかの森駅南口公園は奥に向かって緩やかに上っており、楠やツツジを植えた築山があり、隣にマンションが建ち並びます。
都市にある駅前は、こんな風に作られていません。改札をくぐれば目の前にタクシー乗り場、パチンコ屋、飲み屋が軒を連ねているのです。子どもが走り出したら、親は慌てて手を引くでしょう。大人には便利でも子どもには危険なものがあります。
母親は、そうした雰囲気を敏感に感じることでしょう。
若者を引き寄せる力
和菓子店の店主を目指す稲場は、門脇が進める古民家再生プロジェクトに乗りました。店として使えるようにするには750万円の改築費がかかります。和菓子の工場で使う機材の費用は400万円、しめて1150万円の大投資です。
30歳そこそこの若者には重い金額ですが、稲場は1200万円の自己資金を貯めていました。自宅通いで、給料のほとんどを貯蓄にまわしていたのです。
古民家プロジェクトの1つに入ったことで、流山市から350万円の補助金を受けられることにもなりました。
コロナ禍でも、ちゃんとしたものを食べたいというお客様は増えています。
きちんとしたものをつくれば、そんなにたくさんではなくても、買ってくれるお客様がいるはずです。そのお客様に『美味しい』と言ってもらえたら、少し自分を褒めてあげたいと思います。
そんな31歳を引き寄せる力が、今の流山にはあるのです。
楽天、アマゾン倉庫
常磐道自動車道の流山インターチェンジを折りて料金所を出て、松戸市と野田市を結ぶ河川敷を走る道路があります。その車道の片側には巨大な物流倉庫群が並び、約9kmの倉庫が続いているのです。倉庫の周りは、グリーンチェーンで敷地の20%が緑地化されています。周囲はランニングコースにもなっており、夜にはLEDの電飾がきらめきます。施設内には、コンビニ、カフェ、体育館などがあるようです。
運営しているのは世界屈指の物流不動産企業の日本GLPと、物流施設事業を拡大する大和ハウス工業になります。
アルファリンク流山の「3」にはECの楽天市場が入り、建物には「Rakuten」の赤いロゴが飾られています。DPL「Ⅲ」にはアマゾン・ドット・コムが入り、「Amazon」の青いロゴが浮かび上がっています。
首都圏で楽天やアマゾンを使う人の荷物は何割かの確率で、ここから発想されています。
感想
サイト管理人
働き口もありそうですし、若い人口が増えているとのことです。
若い人を取り込みたいのであれば、極端な話、住民税の軽減や一時的な無償化などが有効な気がします。
ようは、自治体が若い人の負担を軽減する施策をしたことで、人口増に繋がっているのです。
あとは、自動車道の交通の不便を改善できれば、独身の若者も流山に寄り付くかもしれません。
ベッドタウンの中には、閑静な住宅地で交通の便もそこそこなのに、高齢化が進むばかりのところがあるのではないでしょうか。こういった成功例を参考に、自分の町も生まれ変わって欲しいです。
購入リンク
紙
※amazonの商品リンクです。画像をクリックしてください。
電子
※amazonの商品リンクです。画像をクリックしてください。