※読んだ本の一部を紹介します。
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
目次
書籍情報
タイトル
生き物の死にざま
著者
稲垣栄洋
静岡大学大学院農学研究科教授。農学博士。専門は雑草生態学。
出版
草思社文庫
交尾に明け暮れ、死す
アンテキヌス
慎重10センチメートル程度
有袋類
ネズミのような見た目
アンテキヌスは有袋類です。有袋類は、カンガルーのように袋の中で子どもを育てます。
アンテキヌスはネズミによく似ています。ネズミは弱い生き物で、様々な動物たちの餌にされるのです。そのため、短い寿命の間に、たくさんの子どもを産んで生き残る戦略をしています。
アンテキヌスもネズミと同じ戦略でで生き残りをかけています。
アンテキヌスのメスは2年、オスは1年ほどです。アンテキヌスは生まれて10カ月で成熟し、生殖能力を持ちます。冬の終わり2週間程度が繁殖期です。オスはメスを見つけては、次々と交尾を繰り返していきます。
アンテキヌスのメスは、どんな雄でも受け入れ、オスを選り好みしません。恋愛のスキンシップをすることは一切なく、ただ交尾相手を探して交尾をし、また次の交尾相手を探すことを繰り返します。
アンテキヌスのオスは、あまりにも生殖行為を繰り返しすぎて、男性ホルモンの濃度が高くなりすぎてストレスホルモンを急激に増加させます。それが原因で、毛が抜け落ちて、目が見えなくなることもあるのです。たとえ体がボロボロだろうと、彼らは交尾をやめることなく、命ある限り、彼らは交尾を繰り返します。
無数の卵の死の上に
マンボウ
海面に近いところを泳ぐ
3億個もの卵を産む
マンボウを捕食する魚は多い
海面に近いところを泳ぐので、浜辺にマンボウの死骸が打ち上げられてニュースになることもあります。マンボウは広く知られている魚です。
マンボウは、たくさん卵を産んで生き残りかける魚になっています。しかし、産み落とされた卵の多くは食べられてしまうことがほとんどです。生まれてきたとしても、稚魚の状態では食べられてしまいます。
マンボウが無事に大人になる確率はとてつもなく低いのです。
マンボウの寿命は100年程度だと推測されていますが、そんな夢のような話は幸運な一握りのマンボウになります。自然界では天寿を全うすることなど、ほとんど出来ないのです。
浜辺に打ち上げられるマンボウは幸運といえるでしょう。
餌がかかるのを、ただ待つ
ジョロウグモ♀
寒さに弱い
秋に卵を産む
冬に入ると死んでしまう
何日も食事なしでも耐えられる体になっている
2～3センチ程度の大きさ、オスは1～2センチ程度
ジョロウグモは、じっと獲物が巣にかかるのを待ち続けます。何日かに一度、餌にありつければ幸運といえるでしょう。長いときは1カ月以上何も食べずに、ひたすら待ち続けなければならないのです。
クモは絶食に耐えられるようになっており、エネルギーを節約するために働くことなくじっと待ち続けます。
トンボなどを捕食するジョロウグモですが、鳥に襲われて命を落とすことも多いのです。
巣から木の幹などに移動して卵を産みます。卵を枯れ葉などで隠したり、自分の体で守ったりして、寒くなると死んでしまいます。
犬の最後
現代の犬
今やペットブーム
愛玩犬としての需要がある
ペットショップでいつでも買える
今の犬に求められるのは「かわいらしさ」です。売れ残れば、殺処分が待っています。中には途中で捨てる人がいて、捨て犬になってしまうこともあるのです。
毎日毎日、たくさんの犬が捨てられて動物愛護センターへ譲渡されています。とても、全ての犬を愛護することはできません。そして犬たちには安楽死が待っているのです。
安楽死は、二酸化炭素ガスによるもので、狭い部屋に押し込められて、酸素を奪われる窒息死です。犬と猫を合わせると、日本だけで年間約3万頭が殺処分されています。
人間をパートナーとして生きる犬が、今置かれている事情なのです。
感想
サイト管理人
ベストセラーになるだけあり、エロネタを携えながら真面目な動物の生態が楽しく学べます。
アシナガ蜘蛛とか、結構クモが苦手な人が多いと思いますが、意外と益虫だったりします。ゲジゲジもそうです。色んな生物の生態を知ることで、不必要に虫に怯えることも無くなるのではないでしょうか。
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