超一流諜報員のダークスキル

※読んだ本の一部を紹介します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

はじめに

 欧米では、引退した諜報員は今も昔も、企業から引くてあまたの状態です。経営者として成功している元諜報員もいます。

 諜報員のスキルで汎用性の高いものは、ビジネスの世界に流入し、活用されており、成果につながることは実証済みです。

書籍情報

タイトル

超一流諜報員の頭の回転が速くなるダークスキル

仕事で使える5つの極秘技術

著者

上田篤盛

元防衛省情報分析官。

 現在、株式会社ラックのナショナルセキュリティ研究所のシニアコンサルタントとして、諸外国のサイバーに関わる施策等にかんする研究を行っています。

出版

ワニプレックス

情報源は批判的にみる

ポイント
●情報源の記載がされていないものは、状況判断には使用しない。
●情報源を不用意に信用しない。
●取材、手記、ノンフィクションは、意図的な誘導があると認識する。
●情報源の成立時期を特定する。

 情報を批判的に見る方法は、外的批判と内的批判の2つがあります。

 外敵批判は、情報が本物かどうか判断し、その情報が独立したものか、他の情報から派生したものかを突き止めることです。

 情報源の記載がされていないものは、状況判断には使用しないことが大切です。情報源を不用意に信用しないようにしましょう。著名人や自称専門家の情報、過去の出版物などをチェックし、どの筋の専門家なのかを確認します。思想的背景、交友関係、意図的な誘導工作の可能性などを探るとよいです。

 自伝書は自慢話が多く、脚色がなされていて、主張を補強する材料に過ぎない場合があります。取材、手記の類は、意図的な誘導であると認識しましょう。

 情報源の成立時期を特定することをお勧めします。情報源の成立時期と情報の入手時期は異なるのです。昔の情報の焼き直しであることはよくあります。文体や用語が現代的かどうかに注意しましょう。

情報を得るテクニック「SADR」

ターゲット勧誘手順
●誰を協力者にするか狙いをつける。
●協力者にふさわしいか評価する。
●ターゲットとの人間関係をつくる。
●ターゲット勧誘する。

 誰を協力者にするのか考えることが2つあります。ニーズと可能性です。

 ニーズは、相手が自分の必要とする情報を持っているかになります。役に立つ情報をもっているか、重要な情報にアクセスできるかどうかが第一基準となるのです。

 企業ならば、ライバル会社のトップ層に接近することがベストになります。重要な情報に近づくときに、自社の内情を探る二重スパイには注意が必要です。

 人生やビジネスとは正々堂々が原則です。相手を出し抜くようなことはすべきではありません。しかし、正直さはグローバルに展開されると弱点になります。セルフディフェンスの観点としても、協力者を得る方法は知っておくべきです。

基本のフレームワーク

 ビジネスパーソンも最低限知っておいてほしいフレームワーク分析を紹介します。集めた情報をフレームワークに当てはめて、情報から示唆や洞察を得る手段のことです。

3C分析
Customer 市場・顧客
 市場の成長性や規模、顧客ニーズ、購入者はどんな人か
Competitor 競合
 競合の数やシェアの割合、戦略、組織構造、資源、能力
Company 自社
 自社の資源、能力、強み弱み

 自分や自社の成功戦略を見つけ出すためのものです。自分たちの置かれている状況を分析し、最適な意思決定、行動を導き出すために使えます。

4P分析
Product 製品・サービス
 どんな商品、サービスを販売するのか
Price 価格
 いくらで販売するのか
Place 流通
 販売場所や方法など、どのように顧客に届けるか
Promotion 販売促進
 顧客に対して、どのように商品の強みを伝えるか

 自社の商品・サービスをこれらの要素から分析し、強みをみつけ、販売促進につなげる分析法です。

PEST分析
Politics 政治的要因
Economy 経済的要因
Society 社会的要因
Technology 技術的要因

 自分たちではどうにもできない外的要因を知ることで、自分たちにとって最適な戦略を見つけることができます。

 基本ほど大切なものはありません。これらを掛け合わせて使うことで、最適な意思決定、行動がとれるようになるでしょう。

リスク管理の鉄則

ポイント
●目立ち過ぎないこと。
●用心を怠らないこと。
●状況判断が最も大切。
●撤退する基準をあらかじめ定めている。

 リスク管理は危機が起こらないように、原因を低減することです。目立つことは危険をさらすことになります。不必要に目立たないようにしましょう。

 危険な状況にならないとリスクの存在を忘れがちです。用心は言葉で言うほど簡単ではありません。「ヒヤリ・ハット」を聞いたことがあると思います。その膨大な量の軽微な事故を軽視するなということです。

 諜報員がもっとも大事にしていることは、「状況判断」です。リスクを感知したら、冷静に撃退や退避の行動に移ります。このターゲットとの関係をどのタイミングで切るべきかを常に考えながら、協力関係を築いているのです。

 ビジネスパーソンも、引き際を間違えれば、大きな痛手をこうむります。「利益が基準に達しなかったら注視する」「自分が不利益をこうむるお客さんは切る」というように、撤退する基準をあらかじめ定めておくことが大事なのです。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 実は、記憶して瞬時に引き出すという項目があったのですが、ツリー構造で考える方法で整理するのは続けるのが難しいので紹介しませんでした。単発なミッションで使える方法だと思うので、気になる方は、是非とも読んで下さい。

 疑い、分析し、リスク管理をする。どれだけの人ができているでしょうか。倫理で考えて、人のためと働き続けるより、どんなに難しいことかと感じています。

 目的を達成するためのスキル、自己防衛の方法を身につけられるのではないでしょうか。

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