※読んだ本の一部を紹介します。
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
はじめに
どの技術が期待されているかを調べるために、ビジネスパーソン1000人に質問に答えていただき、結果を「テクノロジー期待度ランキング」として掲載しています。
ランキングを眺めて「こちらの技術のほうが有望ではないか」と反対のことを考えても面白いでしょう。実際、思わぬ組み合わせの技術が融合することがあるのです。
目次
書籍情報
タイトル
日経テクノロジー展望2023
世界を変える100の技術
著者
日経BP
出版
日経BP
空飛ぶクルマ
自動車のように移動する電動航行機
数人乗りの電動垂直離着陸(eVTOL)にスポットが当たっています。
自動車で移動する場合に比べて数分の1で済むことから、都市部の渋滞問題を解決する手段として期待されているのです。
eVTOL機は従来の航空機に比べて、あたかも自動車のように手軽に乗り降りできることから「空飛ぶクルマ」と呼ばれています。主に、都市部での「エアタクシー」としての利用が想定されているようです。
電動化によって、温暖化ガスの削減のほか、燃費向上や構造の簡素化によるメンテナス負荷の軽減でコスト削減を狙えます。
eVTOL機が本格始動する場として、「2025年日本国際博覧会」が見込まれています。
商用運用に向けた課題は多く、対空証明を取得した機体を2025年の万博開催までに用意できるかというところです。
都市部での利用例として大阪国際(伊丹)空港から市内中心部の南海電鉄なんば駅間までの直線14.4kmのルート、地方での観光エリアを結ぶ例として三重県鳥羽市の旅館街と答志島間の直線9.4kmのルート、のそれぞれについて1人あたりの運賃や想定利用者数、必要な機体数などを資産しました。
損益分岐となる運賃は、大型機の場合、伊丹航空ーなんば駅間で立ち上げ期に1満100円、成熟期に5800円。鳥羽市旅館街ー答志島間ではそれぞれ1万6200円、6700円となったのです。
将来的にタクシー料金並みに運賃が下がり、時間をかなり短縮できるので競争優位性を出そうとしています。
腸換気法
腸から全身に酸素を送る
東京医科歯科大学の武部貴則巨樹は新たな呼吸管理法として「腸換気法」を開発しました。
浣腸の要領で肛門から液体を入れて、腸から全身に酸素を送り込みます。マウスや豚などの動物実験で、腸呼吸による呼吸不全の改善が期待できることを突き止めたのです。
ドジョウには肛門付近の血行が豊富で粘膜がやや薄いので、座薬が昔から用いられています。ドジョウで気づいたことを、マウスを対象に実験しました。
致死的な低酸素環境下のマウスに肛門から酸素ガスを注入したところ、格段にマウスの生存率が上がったのです。
医療現場で呼吸不全に対するEVA法を使うにあたって、点滴バッグのような袋にパーフルオロカーボン(PFC)を詰め、病院内で酸素を充填する方法が考えられます。バッグに浣腸用のノズルを取り付けて、呼吸の苦しん患者の肛門にノズルを入れて500mlほどを2~3分かけて注入します。
前例のない研究で理解してもらうのも大変でしたが、新型コロナウイルスの拡大で呼吸器合併症の患者が増え、呼吸不全の治療の需要が高まりました。腸呼吸の研究にも光があたり、大型の研究支援を受けることができたのです。
VTuber向けモーションキャプチャー
指の動きを高精度で再現
YouTubeで活躍するバーチャルタレントVTuberに欠かせないのが、仮想空間上で体の動きを再現するモーションキャプチャー技術です。
アバターを通して顔の動きや手振りなどを伝えられるソフトウェア「Luppet(ラペット)」はVTuber関係者の間で人気を博し、8000以上のライセンスを提供しています。
Luppetの開発で最も力をいれたのは指の動きの再現です。CGのアバターに半身者の候えや動作を連動させ、視聴者の目の前に存在するかのようにかんじさせることが重要だからです。
英ウルトラリープの小型赤外線センサーLeap Motionを採用し、ピアノなどを演奏したりと人間らしい動作ができるようになりました。さらに、低価格にすることも実現できたのです。
もともとは趣味で開発したものでした。今での趣味のように開発を進めています。
VTuberのようなバーチャルキャラクターが、当たり前に存在する社会を実現したいという思いがあり、人間のような自然な動きを再現できるVTuberが日常的な存在になると思っているのです。
文書解読AI
AIと対話する
膨大な書籍のなどの情報を、機械学習させる際に正解を紐付けする必要があります。その正解のラベルをつける作業を効率化する開発がされているのです。
機械学習になにかを覚えさせるときに、「タミフル」という単語を覚えさせるには「医薬品」というラベルを付与させる必要があります。
「教師あり」の機械学習の場合、タミフルという単語を覚えさせるときに、「これは医薬品ですか?」と質問をしてくるので、イエスかノーで答え続けて行けば、正解を紐付けする作業が終わりのです。
単純な単語で問い合わせて、質問の総量をすくなくて済むようにしています。100時間かけて学習させている内容が10時間程度になり、既存のAIと同程度の精度を保てているようです。
感想
サイト管理人
去年と内容が被るものも多いですが、実際に力を入れている人がいるテクノロジーの開発を閲覧できる書籍です。
1技術ごとに読む文量はそこまで多くなく、サッと読めます。気になるところだけでも勉強になるのではないでしょうか。
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