100年学習時代/著者:本間正人

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書籍情報

タイトル

100年学習時代

はじめての「学習学」的生き方入門

発刊 2024年5月30日

ISBN 978-4-502-50861-5

総ページ数 342p

著者

本間正人

京都芸術大学客員教授
らーのろじー(株)代表理事
一般社団法人キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会理事
NPOハロードリーム実行委員会理事

アクティブラーニングを30年以上のコーチング実績を持つ。企業や官庁の管理職や教員・医療関係者対象の研修講師を務めてきた。

出版

BOW BOOKS

もくじ

  • はじめに 生きることは学ぶこと、学び続けること
  • プロローグ   今、何が起こっているか? 教育と学習の新しい潮流
    • 一生の中で学校教育の時間は?
    • 最終学歴も大切だけれど
    • 最新学習歴とは
    • 最新学習歴にまつわる質問
    • 文部科学省も学習学的に
    • 多様な新しい学校が登場
    • 国際化、地域化の波も
    • オンラインの普及
    • Chat GPTの登場
    • 探求学習と総合型選抜の進展
    • リカレント、リスキリング
    • 学び直し
    • 最終学歴の限界
    • コラム 年齢は言い訳にならない
  • 第一章    「教わる」から「学ぶ」へ
    • 学校で「勉強」する意味を感じにくい時代
    • 合理性の期限切れ
    • 「教育」ではなく「学習」を積み重ねていこう
    • 学習学とは
    • 「教育システム改革」より大事なこと
    • コラム パラレルキャリとクロスオーバーキャリア
  • 第二章    「学習」を定義する
    • 人間は学習する存在「ホモ・ディスケンス」である
    • 「学習」を人類の歴史から考える
    • 「学習」を「適応」と「開発」の二面から考える
    • 「学習」を狭義と広義で考える
    • 学習とは、教わるのではなく自分で学ぶこと
  • 第三章    「学習学」的学習 「学習学」的生き方
    • 学習の四段階 「わかる」から「できる」へ
    • 質の高い「未成功」を積み重ねていくことが成功への道
    • 学習の対象と場所
    • 多様性 さまざまな価値観を知る
    • 学ぶ喜びが鍵
    • 学習はやり方次第では楽しい
    • 学習の七原則
  • 第四章     学校教育一八の呪縛
    • 教育とは学校の先生から教わること
    • 学校に通うことが学ぶこと
    • 見えない「義務」を守り続けよ
    • 遊ぶことは悪いこと
    • 正解がある
    • 学校の成績がすべて
    • 教わっていないことを使ってはいけない
    • 教科がすべて
    • 教科書という「過去のこと」を大事にする
    • 得意科目の延長線上で進路を選択する
    • 階級社会で濫用される「評価」
    • 全国一律同じメニュー
    • 休んではいけない
    • 問題は一人で解決することが正しい
    • 先生が同じ授業を何回もする
    • 知識の保有が幅を利かせる
    • 「学び直し」も学校教育流
    • 「学歴」という呪縛
  • 第五章     では私たちはどう学習すればよいか  実践「学習学」的生き方
    • あなたの眠っている大きなポテンシャルに気づこう
    • 自分に合った学習スタイルを見つけよう
    • 得意分野を見つけよう
    • ダイアローグ(対話)をしよう
    • ノートをつくろう
    • 学びをつけるための八つのステップ
      • 自分の目標を立てる
      • 自分のスタイルを知る
      • 自分のリソースを把握する
      • オプションをリストアップする
      • メリット、デメリットを勘案する
      • 作戦を決めて、スケジュールを立てる
      • スケジュールに沿って計画を実施する
      • 目標に照らして評価・改善する
    • コラム ケーススタディ
  • 第六章     ライフロング・ラーニング  時間軸で学習をとらえる
    • ライフロングの考え方 進化と学習、生涯教育
    • 人生は長いラーニング・ジャーニー
    • 〇歳の学び
    • 児童、生徒、学生としての学び
    • 思春期での学び(親との関係性)
    • 会社選びと入社時の学び
    • 入社後の学び
    • 昇進 プレイングマネジャーの学び
    • トップの学び
    • 自営業者、フリーランスの学び
    • 結婚生活の学び
    • 子育てからの学び
    • 病気、入院での学び
    • 介護からの学び
    • 死と接するときの学び
  • 第七章     ライフワイド・ラーニング  空間軸で学びをとらえる
    • 学ぶ場は無限
    • コンビニ
    • お墓
    • パチンコ産業
    • 交通
    • 児童遊園
    • キャンプ
    • 昔の本やノート
    • 家庭内学習、教科外学習
    • PTA
    • オンラインで学ぶ
  • 第八章     ライフディープ・ラーニング 自己変容のための学習
    • 人生の特異点
    • 人生はフラクタル構造
    • 自己変容学習
    • リフレクションで意味を見出す
    • 対話的鑑賞で視野を広げる
  • エピローグ   学習する地球社会を目指して
    • 「関係性」における「教育」と「学習」
    • 学習は「他社とつながる営み」である
    • ハードウェア、ソフトウェアによる「未知」の征服
    • 新たなフロンティア 「ヒューマンウェア」が拓く可能性
    • 人間の内部にある「複数の自己」
    • 異なる存在と対話するときの考え方
    • 戦争は「レッテル貼り」から始まる
    • 「マジョリティ」の枠を意識しよう
    • 国際的な取り組みを
    • 学んだことを独り占めしない
    • 学びの究極は、「地球市民」の意識につながる
  • あとがき

書籍紹介

学習学とは何か?

 「学習学」という言葉を聞くと、多くの人は初めて耳にするかもしれません。本書では、学習学を「生涯にわたって学び続けるための方法論」として定義し、その重要性と具体的な実践方法について詳しく解説しています。著者の本間正人氏は、教育分野で長年の経験を持つ専門家であり、その知識と経験をもとに、誰もが取り組める学習のアプローチを提案しています。

100年学習時代の到来

 本書のタイトルにもある「100年学習時代」は、平均寿命が延び、多くの人が100年を超えて生きる時代を指します。これに伴い、私たちのキャリアやライフスタイルも長期的な視点で考える必要があります。学び続けることが人生を豊かにし、より多くの機会をもたらすと説いています。

本書の主な内容

本書は以下のようなテーマに分かれています:

  1. 学習学の基本概念
    学習学の基本的な考え方や、その重要性について解説しています。
  2. 自己主導型学習
    自分自身で学びのプロセスを管理する方法について、具体的なステップを紹介しています。
  3. ライフステージに応じた学び
    人生の各ステージにおける学びの重要性と、それぞれに適した学習方法を提案しています。
  4. 学びのコミュニティ
    他者と共に学ぶことの利点と、その実践方法について解説しています。
  5. 未来の学習環境
    テクノロジーの進化に伴う学習環境の変化と、それに適応するためのヒントを紹介しています。

キャリアの発展に

 「100年学習時代 はじめての『学習学』的生き方入門」は、これからの時代に必須となる「学び続ける力」を身につけるための貴重なガイドブックです。著者の豊富な経験と具体的なアドバイスは、読者にとって非常に実践的であり、すぐにでも実行に移せる内容が満載です。学び続けることが、個人の成長やキャリアの発展につながることを実感させてくれる一冊です。

試し読み

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

ChatGPTの登場

 自然言語で動作する生成AI、ChatGPTが登場しました。例えば、難関国立大学の二次試験で「平安末期の荘園制度が崩壊した理由について300字で述べよ」や「宗教改革がヨーロッパ社会にもたらした変化を400字で述べよ」といった論述問題に適切に解答するためには、事実を深く理解し、要点を簡潔にまとめる能力が求められます。このような能力を身につけるために、人間は少なくとも数か月の学習が必要ですが、ChatGPTはわずか数秒で完璧な答えを出してくれます。

 これまでは模範解答との一致度が重視されていましたが、現在では歴史的事象に対して「私はこう思う、こう考える」といった自分なりの解釈を述べる力が求められるようになりました。試験で模範的に解答するために歴史を暗記するのと、自分の意見を述べるために歴史を学ぶのとでは、アプローチが異なります。

 今も生成AIに対する慎重な議論がありますが、生成AIを使えば数分で骨格を作ることができます。あっという間に自分だけの資料が準備できます。今後、生成AIはますます発展するでしょう。使わないという選択肢はあり得ないと言えます。

呪縛 教科がすべて

 国語、算数、社会、理科、英語といった教科ごとの縦割り構造の授業を受けています。教師はそれぞれの専門分野を限定して教えています。

 しかし、生活に必要な知識は、数学と理科の組み合わせなど、教科をまたぐことが多いです。教科同士のつながりが必要なのです。

 先生同士が協力して、教科の接点を教える授業があれば、生徒にとって非常に有益ですが、現状ではそのような交流は一切ありません。

 国語と英語の先生が情報共有すれば、英語圏の文法や漢文といった異なる文化圏の理解が深まると思います。

得意分野を見つける

 「内省」は、物事の本質を深く考える力です。しかし、試験重視の教育システムでは、内省が後回しにされがちです。

 学生時代を終え、年齢と経験を重ねると、人生において「試験の答え」よりも「その人にとっての真実」を知ることが重要であると誰もが気づきます。

 近年、ビジネスパーソン向けの内省力を磨くプログラムが普及してきたのは、良い傾向です。

キャンプ

 コロナの影響で、一人でキャンプに出かけるソロキャンプが流行しました。

 日常生活で当たり前に思っていたものが実は重要であることに気づいたり、不足しているものを工夫して補ったりするなど、キャンプで学べることはたくさんあります。

 大航海時代には、壊血病を防ぐためにライムの絞り汁を飲んでいたという話があります。実体験から必要なものを取り入れていた時代だったのでしょう。

 キャンプは、本当に必要なものを考え、知恵を絞る良い機会になります。私たちが本当に大切なものを見直す時間になるのです。

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